米里の記憶があるのは、数年前になる。
(米里とは、岩手県奥州市江刺区米里のことです。)
米里での一番古い記憶がある場所は、道の途中にある「野菜の無人販売所」だ。
コインロッカー型の自動販売機とショーケースの中に激安野菜が置いてある。
自動販売機はお金を入れると、扉が開く仕組み。
ところがショーケースの野菜はオープンになっているため、欲しい商品を手に取り、代金は金属製の容器に入れる仕組み。
お客さんとの信用で成り立っているところがある。
中には代金を払わない人もいるだろうし、そういう人を取り締まることも難しいだろう。
でも、それでいいのかもしれない。
コンビニにしても万引きはある。
いくら撲滅しようとも結局はイタチごっこだろう。
病気だって、薬だって、なんだって問題と改善の繰り返しになる。
極端な話、お店で買い物するときに、店員さんからマンツーマンで監視をされたら、買い物をする気が失せてしまうでしょう。
それが監視カメラだったり、ハイテク技術であっても、いい気持ちはしないだろう。
それが当たり前の世の中になったとしたら、普通に買い物ができてしまうのかもしれないが、そんな世の中は間違っていると思う。
これからどんどんとハイテクになっていく時代の末路は、そういう未来なのかもしれない。
そう考えると時代を逆行することで世の中の秩序が、辻つま、帳尻を合わせる必要があるのだろう。
だから、この世の中に米里の無人販売所は必要不可欠だと思う。
そして、誰にも監視されていない中で、きちんとお金を払うことが大事だろう。
当たり前のことではあるが、それができていない世の中を米里が変えるのかもしれない。