今日は早朝から人首小学校の草刈りに行ってきました。
去年も参加したのですが、草刈り歴2年目の僕にはちょっと難しいのですが、去年からの成長が見えると思いますので、少し楽しみでした。
やはり少しは上達したようですが、やはりベテランの方々には歯が立ちませんね。
人首小学校のイベントに参加する楽しみの一つが先生方とのコミュニケーションです。
僕が小学校の時は先生と話をすることはほとんどありませんでした。
どこか血の通っていないというか、意思の疎通ができないと思い込んでいて完全に心を閉ざしていました。
そんな中、小学校6年の時の担任だった「船田ひろし」先生が僕が心を開けた唯一の先生です。
バスケットが得意な先生で、体育の時はバスケットが多かった気がします。
愛用の靴はエアジョーダンで、大人のカッコよさがありました。
社会か何かの授業が結構進んでいて、勉強やめてバスケットしよっか?っていう話になって、たまたま体育館が開いていたので本当に社会の時間がバスケットになった時は驚きでした。
僕らは6年生なので春になると卒業でしたが、先生も転勤になりました。
友達の家に遊びに行く途中、学校に寄ってみると先生が教室の私物などを片付けていました。
「おお!はじ!!」
先生は嬉しそうに僕に気が付きました。
そして少し寂しそうに段ボールに物を詰めていました。
少し雑談をしましたが、ゆっくりとした時間でしたが先生との時間が確実に経過していました。
時計を見るともうすぐお昼になる時間でした。
僕は友達の家に遊びに行くことを思い出し、先生に別れを告げて友達の家に行こうとしましたが、先生が僕を引き留めました。
「はじ!ラーメン食べにいかないか?くるまやラーメン、岩崎も早川も一緒に行こう!おごるから!!」
そして僕は友達の家に行き、事情を話し、みんなでラーメンを食べに行きました。
北上のくるまやラーメンは人気のラーメン屋さんで、僕の両親もよく行く店です。
特に人気のラーメンは「ネギみそラーメン」で、辛いネギがみそらーめんに盛り付けられているラーメンです。
両親はネギみそラーメンが大好きでよく食べていましたが、僕はおこちゃまだったので、辛いものは苦手で一度も食べたことはありませんでした。
先生は店につくなり「ネギみそ4つでいいよな?水を飲まないで食べきれば、ジュースもおごってやるぞ!」
と僕らの気持ちを高ぶらせます。さすが先生。
ぼくらはもちろんネギみそを頼みました。
それはジュースの為と、名誉のためです。
ほかの友達はきっと今までにネギみそを食べたことがあったと思いますが、水なしはなかったと思います。
僕はと言えば、ネギみそも経験ゼロ、水なしも経験ゼロで、ダブルゼロです。
無謀な挑戦かと思いきや、人間ってやればできるもので、辛いのですがその場の雰囲気に後押しされ、何とかクリアしました。
目の前で食べていた早川は汗が滝のように流れていました。
僕は冷や汗に近い汗を大量にかきましたが、目の前の滝を見ていると、僕もまだまだなんだと思ってほっとしたことを覚えています。
帰りに自販機でジュースを買ってもらい、しばらくドライブに出かけました。
先生も僕らも別れが惜しいのか、永遠の別れだと感じたのか、時々無言になりながらも先生との時間を暖かく寂しい気持ちで過ごしました。
寄り道の途中に北小学校の学区にある公園に行きましたが、そこにはなぜかバスケットゴールがありました。
先生は車からバスケットボールを出し、みんなでバスケットをしました。
僕はというと、実は球技の中でバスケットが特に苦手で、ほかの二人はスポ少でバスケットをしていて、先生もエアジョーダンを履くくらいうまいので、僕は完全に足手まといです。
もう少し、ちゃんとバスケットを習っておけばよかったと思いましたが、それからも今も僕はバスケットが苦手です。
僕らはバスケットで少し汗を流し、3月の北上の太陽が夕日に変わる頃、車で学校に向かいました。
先生や友達とも明日も普通に会えるかのように別れ、僕らは家に帰りました。
先生とはそれからずっと会えずにいましたが、僕が30を過ぎた頃に岩崎の結婚式があり、ちょうどそのころに北上のデパートで船田先生に良く似た人を見かけました。
声をかけようか、迷って、結局は声をかけられませんでした。
それは、僕の悪い癖です。
もし、声をかけて「誰?」「ん?覚えてない。」と言われたらこのキレイな思い出が台無しになってしまう。
だったらキレイなままの方がいいんじゃないかとか。
中学校以降の先生という存在にガッカリしていたこともあって、人間不信ならぬ先生不信になっていたためです。
後日、岩崎に話すと岩崎も船田先生に会いたかったけれども連絡先がわからないと言っていました。
やっぱりあの時に声をかけておけばよかったと、今でも後悔しています。
先生と一緒に食べたあのラーメンの味を今でも忘れません。
何も変わらない「くるまやのネギみそラーメン」が無性に食べたくなって今でも車を走らせる時がありますが、本当は先生に会いたい気持ちがそうさせているのかもしれませんし、あのラーメンの味があれほどウマいのは先生との思い出が関係するのは間違いありません。
人首小学校の先生方と話をしていると、あの頃の自分に少し戻っている気がします。