農業はダサい。
僕の幼少期、農業に対するイメージは、決していいものではありませんでした。
僕は、岩手県北上市のどちらかというと街中に近い学区で生まれ育ったので、農家の息子ではありませんでしたし、周りに農家の子供がいたというイメージがありません。
実際には、いたかもしれませんが・・・。
家の周りには田んぼがありましたし、おばあちゃんの家には家庭菜園にしては大きい畑と、田んぼも大きなものがありましたので、全く農業と関わっていないというわけではありませんが、農業・農家のイメージは学校の勉強や、漫画で植え付けられたものだけでした。
それは、歴史の授業の中や、ドラえもんでのび太が過去に行くシーンでの出来事。
ある昔、お侍さんがいて、地主がいて、お百姓さんがいました。
お百姓さんは、貧しい生活をして、朝から晩まで働いては、質素な食事を食べて、病気になる。
地主さんは、お百姓さんから土地代として、たんまりとお米をもらって、裕福な暮らしをする。
お侍さんは、年貢としてお百姓さんが作った米をいっぱい持っていく。
こんなイメージです。
お侍さんも、地主さんも、それなりにやることはあるのでしょうが、お百姓さんは割に合いません。
未だに、農家は過去のお百姓さんをイメージしている方は大勢いるでしょう。
実際に、農業と関わっている人たちよりも、関わりが薄い人の方が農業に対するイメージが悪いのかもしれません。
僕もその中の一人でした。
ですが、食べるとは何か?生きるとは何か?という壮大で単純なことを考えた時に、その原点がお百姓であり、農家であることに気がつきました。
彼らが食を守ってくれるから、皆は安心して暮らしていけるのです。
仮に、工場で働いても、お昼にご飯が食べられるのは、農家のおかげです。その他の職業でも同じことが言えます。
それぞれが必要な職業ではありますが、農家がストライキを起こし、スーパーに野菜が並ばない日が来たとしたら、とてつもない影響があります。
健康に直接的な影響すら与えかねません。
考えただけでゾッとします。
白菜が500円だったら高いですか?ストライキをお起こせば、10000円出しても買えないかもしれません。そんな世の中は、もはや平和とは言えないほどのレベルです。
日本が平和なのは、食べ物がきちんと流通しているというのも、一理あるかもしれません。
そんな日本を支えているのは、他でもない農家なのかもしれません。そういう風に考えると、農家はみんなのヒーローです。
「農家は、カッコイイ」と思えてくると思います。
ある時、クラーク博士はこう言いました。
「少年よ、大志を抱け!!」
僕だったらこう言います。
「少年よ、大地を耕せ!!」
今、農業が求められています。