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10月の赤とんぼ

今日は堆肥を撒きましたが、ひさしぶりに車庫から出した旧トラクターに乗ってガタゴトガタゴト家の道を下り、圃場に向かいました。

最近は今年の晴れ日のストックを消化しているのか、晴れの日が続いています。

時刻は15時くらいでしょうか、小麦色に日が差し、稲刈りが終わり、本来は土色だったりする田んぼが光って見えるほど強い日差しでした。

気がつけばあっという間に秋も進み、10月も半ばです。

10月の赤トンボは夏の疲れからか、あれだけ人を警戒していたのに、嘘のように懐っこく手や頭に止まってきます。

ガタゴトと揺れるトラクターですが、少し怖いのでゆっくりと進むと、赤とんぼたちが1匹、2匹僕の体に止まってきます。

女性や人にはこんなにモテた事は無いのですが、なぜか動物とか虫には好かれ、嬉しいやら悲しいやらで、トンボが止まるたびに自分が少し哀れに思えてしまいます。

家の坂を下り終え、道路に着くとガタゴトはしなくなり、それと同時に赤とんぼもどこかに飛んで行きました。

どうやら赤とんぼは、ガタゴトなる僕とトラクターに捕まって、振動を楽しんでいたのでしょう。

虫にそんな感情があるとは思っていませんでしたが、虫だって楽しむ事を知っていてもいいと思いますし、その方が面白いと思います。

本当の所はわかりませんが、遊び好きな赤とんぼに触れられてムズムズむず痒い手をボリボリかきながら、僕はトラクターに乗り、圃場へ急ぐのでした。

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